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コラム TechCrunch JAPAN 2018@渋谷ヒカリエ

コラム01 | 神戸市が「TechCrunch JAPAN 2018」のスポンサーになった理由

神戸市が「TechCrunch JAPAN 2018」のスポンサーになった理由 |  コラム01 アイキャッチ

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多名部 重則|神戸市医療・新産業本部新産業創造担当課長

 

米国のIT・テクノロジーメディアであるTechCrunchの日本版、TechCrunch JAPANが開催した「TechCrunch JAPAN 2018  」は、日本最大級のスタートアップイベントだ。

8回目となる今年、11月15-16日の間に渋谷ヒカリエの会場に約2,600人が来場した。

TechCrunch側によると、過去に自治体がスポンサーとなった例はないが、神戸市は、シルバースポンサーとしてブース出展を行った。なぜ自治体であるにもかかわらず、東京で開催されるスタートアップイベントにスポンサーとなったのか、その狙いを紹介したい。

 

 

|  神戸ゆかりのスタートアップが2年連続決勝へ

 

イベントの目玉は、創業3年以内のスタートアップが投資家である審査員の前でビジネスプランを競い合うピッチコンテスト「Startup Battle  」だ。応募100社以上から選考を勝ち抜いた20社が登壇し、さらに選ばれた6社が最終日夕方、決勝の舞台に立つ。

昨年、決勝進出どころか「最優秀賞」に、500 Startups KOBEプログラム  に参加した「SORA  」(ソラ、東京都)が選ばれた。ホテルや旅館の予約履歴を人工知能で解析し、最適な宿泊料金を設定するサービスを提供する。同社の松村大貴CEOは、今年は講演者として登壇した。会場の片隅にいた彼に昨年のことを聞くと、「500 KOBEで、とにかくピッチ技術を鍛え上げられた。それが審査員からの評価につながった」と昨年を振り返る。

そして今年、惜しくも最優秀は逃したものの、決勝の舞台に堂々と立ち、スポンサー賞の「富士通賞」を獲得したのが「KURASERU  」(クラセル、神戸市)だ。同社は、9月に福岡でベンチャーキャピタルが開催した「B Dash Camp」のピッチコンテストで決勝登壇者の6社に選ばれ、3番手の評価を受けている。病院から退院する要介護者を介護施設に紹介する作業をオンラインで行うサービスを提供する。神戸市の起業家育成プログラムで発掘された。彼らは、昨年10月に創業したばかりだが、今年5月に500 Startups Japanから5,000万円の資金調達を行ったことで、昇竜の勢いを得ている。

 

 

|  自治体ブースに立ち止まる理由

 

驚かされたのは、会場通路のほぼ中央に設置されたブースは、人だかりが絶えることがなかったことだ。最初は、スタートアップやスポンサー企業の看板を眺めながら、そぞろ歩くと、「神戸市」という看板を目にする。すると「神戸市」という名称のスタートアップかと勘違いをしているのかと思いきや、それが理由であるはずはない。

ブース訪問者の大半が、500 KOBE ACCELERATORを知っており、なぜ自治体がスタートアップ関連の取組みをしているのかを知りたかったと話す。また、当たり前であるが、来場者のほとんどが前述のKURASERUが神戸の会社だと知っている。そして何より、自治体がなぜ出展しているのかを不思議がっていたのだ。それに答えると、うまいことに神戸のプロモーションにつながってしまう。

 

 

 

神戸市は、人口減少社会における都市間競争の中で、数年前から、優秀な若い世代、クリエイターや起業家から注目を集めることで、彼らが核をなす都市型産業の集積に舵を切った。それを成すには、首都圏での情報発信が必要であるが、ターゲットが明確すぎるので、マスメディアでは効率が悪く、かといってネットワークがないので、ピンポイントでのPRも難しい。ところが、このイベントの来場者は、神戸市のターゲット層に見事に一致する。まさに、「リアル版のターゲット広告」であり、言うまでもなく、ここに神戸市の狙いが存在するのだ。

 

▼神戸市のスタートアップ支援プログラムについて 詳しくはこちら

 

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▼このコラムの著者である多名部重則は、Forbes JAPANでOfficial Columnistとして「地方発イノベーションの秘訣」というテーマで、スタートアップ、アフリカなどについてのコラムを毎月掲載しています。

過去の連載記事は以下をご覧ください。

Forbes JAPANコラム URL https://forbesjapan.com/author/detail/896# 

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