INTERVIEW

株式会社 Siba Service

学生起業家からイノベーター
そして脱ベンチャーへ
新オフィスで企業としての成長へリスタート!

学生起業家からイノベーターそして脱ベンチャーへ新オフィスで企業としての成長へリスタート! アイキャッチ

Siba Service 芝辻氏と創業メンバー

 

代表取締役 芝辻 裕太氏(写真中央)

取締役 ソフトウェア開発部担当 植田真史氏(写真左)
文系出身ながら独学でプログラミングなどの技術を習得。最先端技術にも精通。

取締役 高田翔平氏(写真右)
総務、経理、契約関係など、バックオフィスを一手に差配。会社運営にあたって大学で経営学を専攻。

大学など高等教育機関向けのソフトウェア開発と、教育機関のICT(情報通信技術)機器の導入および運用支援を主な事業とする株式会社 Siba Service。代表取締役の芝辻氏は、関西学院大学在学中にこの会社を起こし、大学が提供する情報に学生がスマートフォンからアクセスできる日本初のアプリを開発した。創業のきっかけや事業拡大に至るまでいつも根底にあったのは、“現状を良くする”、“問題を解決する”ためのものづくりのマインド。そしてその想いを共有し、一緒に会社の基盤をつくってきた2人の盟友たちの存在だった。起業から早10年、昨年12月にオフィスを西宮から神戸に移して心機一転、新たなスタートに胸を膨らませる芝辻氏に、重ねてきた10年のキャリアを振り返ってもらう。

すべては高校3年夏。ロボット製作から始まった

 

 当社の業務の柱のひとつは、学生さんが大学で使うさまざまなウェブサービス、例えば休講情報の閲覧、履修登録、図書館の蔵書検索、卒業証明書の発行など、全てをスマートフォンで可能にし、学生生活の利便性を高める専用アプリケーションの開発です。システムの仕様がばらばらで使いにくかったり、スマホに対応していないなどの状況を解決するだけでなく、キャンパスマップやシャトルバスの時刻表など、学生さんが欲しいもの、使いたいものを盛り込んでいるのが大きな特徴です。

 

 もうひとつの柱は、教育機関へのICT機器の導入運営支援です。わかりやすく言うと、現在、小中学校から高校まで、タブレットを一人に一台導入しようという動きが広がっていますが、その場合に必要となる初期の設定から使い方の相談、ネットワークや利用方法などについての問題解決まで、トータルなサービスを展開しています。

 

 そんな事業の原点は、私が高校3年の夏休みに作ったガラケーで操作できるロボットでした。その後先生から、このロボットで関西学院大学のAO入試を受けてみないかと勧められ、受験することにしました。電気科で学ぶ私には大学入試など無縁だと思っていましたが、大学で何か面白いことができるかもしれないと受験し、幸運にも理工学部に合格できました。

 

 入学後間もなく、教授からのお声掛けがあり、私は研究のお手伝いに没頭するようになったのですが、そのうち大学からいただく謝金(報酬)が規定の額を超えてしまい、続けていくために、会社を設立しました。それが「株式会社 Siba Service」(の始まり)です。このとき、高校時代の同級生だった高田に声をかけ、バックオフィスを担当してもらうことになりました。

 

 そんな中聞こえてきたのが、関学のウェブサイトが使いにくく、当時世に出始めたスマホでは動かないという声。「これはスマホのアプリ化で解決できる!」と思いつき、開発を始めました。そして2011年10月にリリースしたのが「KGPortal」です。これが、関西の情報番組や新聞に”日本初”として取り上げられ、学生視点のアプリと評判になって学内に一気に広がりました。

❝あばら家❞から神戸の高層ビルへ
移転後に生まれた時間のゆとり

 

 ICTを扱うことになったきっかけは、関学のあるプロジェクトでICT機器の商社である㈱内田洋行さんと出会ったこと。後にタブレットの導入支援の依頼をいただき、事業としてスタートしました。

 

 そうして事業は拡大するものの、私は大学生との兼業で一人では回らなくなっていました。そこで、当時東京の大学に通っていた植田に開発スタッフとして参加してくれるよう頼んだんです。彼とは高校時代にゲーム制作のネット掲示板で出会ってから、妙にうまがあって、出張の時には何度も家に泊めてもらったり、休暇に自転車で東京から広島まで一緒に走り抜いたり、言いたいことを言い合える仲でした。植田が加わってくれて会社が落ち着きました。

 

 事業の拡大とは逆に、オフィス環境はひどいものでした。三田市のワンルームから始まり、増員により西宮市北部のアパートに引っ越しましたが、そこは交通アクセスと賃料の安さで決めた田舎の❝あばら家❞で、来客は全く想定していませんでした。ところが、事業が大きくなるにつれてお客様が来社される機会が増え、お客様がスーツ姿で畑を歩いて来られるのを見て「これはまずい」と思い、ついに昨年秋に移転を決意しました。

 

 当初、予定していた移転先は大阪。それを前提に、東京でオフィス什器の展示会に行ったところ、会場に神戸市さんのブースがありました。神戸への企業誘致をPRしており、内容をお聞きすると実に魅力的なものでした。特に助成金制度が整っていて、コストを落として成長力にしたいという当社にとって強力なインセンティブだと思い、それが一番の決め手になりました。

 

 そうして❝あばら家❞から神戸の高層ビルにあるオフィスに入居したのが昨年12月です。6人の社員はすべてこの近辺に引っ越しました。各スタッフのライフステージの変化や人材採用も見据え、まさにベストなタイミングでした。

 

 こちらに移って一番のメリットだと感じているのは、時間に余裕ができたこと。私は東京へ週3日くらい行くのですが、神戸空港へは18分、東京が2時間圏内で楽に日帰りできます。新神戸駅も近く、これまではこちらが訪問していた遠方のお客さんにも来社いただきやすくなったことも時間が生まれた大きな理由です。また、暮らしやすさも大きなポイントで、街が落ち着いていておしゃれなイメージもあり、社員の評判も上々です。

エンジニアが集中して作業できるようブースを区切り個室感覚に。
プライバシーマークの認証取得も想定した設計です。

ここを新たな出発点に
未知なる課題に果敢に挑む

 

 当社にとって今が一番の転機です。オフィスが新しくなり、人を増やそうとしていますがそれだけ課題も増えています。今年から2023年までの間にいくつかの大きな大学にアプリを導入していただくことが決まっていますが、まずそこにしっかりと取り組むこと。さらにChatworkやSlackのようなコラボレーションツールをアプリの中に取り込んで、学生さんと教職員の方々それぞれの、あるいは双方向のコミュニケーションに役立てばと考えています。

 

 このジャンルでは特許を取るのは難しく、他社に真似されないよう新しい何かを作っていかないといけません。特にアプリ業界は変化が早いので、常に時代に合ったものを作り、便利に使ってもらえるものを考えているところです。
 ただ、技術面だけでは当社のビジネスは動きません。そのあたり、植田が開発のトップとして模索中です。

 

 「最先端技術が大学に降りて来るまでには時間がかかります。その時間を縮めるために、最先端の技術による大学のメリットを伝えるためのアプローチをスムーズに行うのもわれわれの使命です。例えば、当社アプリにある予約システムをQR決済と紐づけてお金を払って予約するというのも可能。私としては面白いし、やってみたいことですね」。(植田取締役 ソフトウェア開発部担当)

 

 現在は学校などの教育機関向けで手一杯ですが、この先も文教市場を中心にやっていくのか、あるいは、ここまでいろんなシステムを作ってくると、他業種にも売れるものになってきており、どこかのタイミングで方針を決める時期が来るでしょう。いずれにせよ、当社は技術力の若さが一番受けているところ。そこを外すことなくベンチャーから抜け、企業としての成長を果たしていきます。

「神戸から、脱ベンチャーへスタートです」と笑う芝辻氏

<株式会社 Siba Service>

設立 2009年
代表者 代表取締役 芝辻 裕太
事業内容 大学の休講情報など学生生活の利便性を高めるアプリの開発・ICTサービスの展開
所在地 神戸市中央区浜辺通5丁目1番14号 神戸商工貿易センタービル6階

URL https://www.siba-service.jp/

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