INTERVIEW

新社屋を神戸ウォーターフロントに移転。人と人が出会い続ける舞台を目指す。

株式会社フェリシモ 代表取締役社長 矢崎和彦氏

株式会社フェリシモ 代表取締役社長 矢崎和彦氏 アイキャッチ

ダイレクトマーケティング事業を手掛け、ファンが世界各地に広がり続ける株式会社フェリシモ。神戸港開港150年を記念し神戸市が再開発事業を進める複合開発地域、神戸市新港突堤西地区に本社を移転しました。代表取締役社長、矢崎和彦氏が見つめるこれまでと、神戸の未来について聞きました。

ともに しあわせになる しあわせ

フェリシモはダイレクトマーケティング事業の会社です。フェリシモの仕事は簡単に言うと「世界中の幸せの種類と量を増やすこと」。だから朝出社したときより帰りにしあわせの総量が増えていると◎、減っていると×。当社は「ともに しあわせになる しあわせ」という言葉を大事にしています。

ひょっとしたら東京への本社移転もあったかも知れない

フェリシモの仕事は店舗がない小売業。お客様が一番多い場所は東京です。さらに言えば56の国にお客様がおられて、裏返すと自分たちはどこにいてもいい。そんな立地にとらわれない小売業なんです。相対的価値でなく、絶対的価値を大事にしているので、世界中どこにいても「創造すること」で絶対的価値を生み出すことは可能だと思っています。

26年前に神戸に移ってくる前の本社は大阪にありましたが、われわれが提供しているのは生活に関連したものばかり。だから仕事をするのも「生活文化の薫りがする場所がいい」と考え、かねてより生活文化の都だと考えていた神戸に本社を移すことに決めました。

神戸に本社を移転した後、1998年に大阪や東京に分散していた物流拠点を、自前の情報物流拠点のエスパス・フェリシモとして総合運動公園に建設しました。その頃からいつかは本社も自前の建物にしたいと考えるようになりました。

そうこうしている間に私たちの業務もいろいろ変わっていきました。やっぱり面白い人と出会った時に面白いことが始まっていく確率は高くなります。そう考えると神戸よりも東京に身を置いたほうが良いんじゃないかと思った時期もありました。

1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに「神戸学校」をはじめていたので、さまざまなジャンルの方々との出会いもたくさん生まれていましたが、月に一度の神戸学校だけじゃダメだと感じていました。

新しいイノベーションが生まれていく場所を創ったほうが本当にいいんじゃないかと思い始めていたときに、たまたまお話があり、今の場所への移転を考えました。

「さまざまなキーパーソンに日本中、世界中から集まっていただける場所を創ろう」というのが、ここに新社屋をつくった理由です。

出会いをつくる舞台装置としての新社屋「Stage Felissimo」

このオフィスを最高の舞台、しあわせ創造の舞台にしたくてStage Felissimo(ステージ・フェリシモ)と名づけました。

人々に役割と舞台を提供すること、これは私がずっと大切にしてきた考え方です。ですのでさまざまな人のための舞台を創ろうと考えました。社員のための舞台、お取引先の舞台、お客さまの舞台、つながりを持つ人々の舞台、さらに言えば神戸の人にとっての舞台になれば良いなと考えています。

2021年1月に引っ越して1週間後には神戸学校を開催し、柿落としに能楽の片山九郎右衛門さんにご登壇いただきました。2年目までの社員が中心となって、どんどん新しい企画を行っていきます。

また、新社屋は当社の社員たちの創造性を高めていくためのオフィスであり、ここから新しい事業をつくっていきます。

秋ごろになれば2階に「felissimo chocolate museum(フェリシモ チョコレートミュージアム)」が開館する予定です。もう22年目になるのですが、「幸福(しあわせ)のチョコレート」という事業をチョコレートバイヤー「みり(木野内美里さん)」が担当しています。彼女は日本初上陸のチョコレートを世界各地で発掘しているのですが、おいしさだけでなく、パッケージにも創意工夫が詰まっているのです。当社ではパッケージをコレクションして、さらにはチョコレートを軸としたクリエイティブ体験ができるミュージアムになる予定です。常設展以外にもいくつもの企画展が動いていますので、乞うご期待です。

また、海沿いの建物の1階がワイナリーで、2階がレストランになります。実はワインを海底に沈めているんですよ。海に沈んだ豪華客船などで引き上げられたワインは絶品のおいしさとワイン通の間では有名なのですが、それをワイナリーで実践しています。東京で知り合いの会社が東京海洋大学と組んで実験しています。そこの取材で追いかけてくれているNHKの研究班によれば、海の中で揺れることで分子が小さくなり、味がまろやかになるとのことです。

神戸の山の葡萄がワイナリーに運ばれて、醸造されて海底でまろやかになって、いろんな人に飲んでいただく。あまり詳しく申し上げられませんが、そんなことを考えています。

フェリシモの事業はダイレクトマーケティングで、いろいろな商品やサービスを開発するのが基本ですが、その上に通販でワインを販売したり、レストランの食器を販売したり、本業とリンクさせながら、いろんな組み合わせを増やしていきたい。

フェリシモのお客様の中には神戸好きな人もたくさんおられるので、将来的には1泊2日とか2泊3日のツアーを組んで、神戸で最高のフェリシモ体験をしてもらえたらと考えています。

神戸への想い

旧居留地に本社があった時から自分たちは海の近くにいると思っていたのですが、ウォーターフロントに来てからそれは大いなる勘違いだと気づきました。この風景は神戸の誇りだと思います。

神戸っ子に「神戸は好きですか」と聞くと多くの人が「好き」と言います。「海があって山があって、美味しいレストランがあって、かわいい店があって」と続けるけれど、「じゃあ最近、山か海に行きました?」と聞けば、ほとんどの人が行っていない。

そこの人々の暮らしぶりや在りようが素敵だったらなお良いと思うんです。「家族そろって自転車で海まで来ました」とか、暮らしのデザインをする時期に来ています。海や山が近くにないまちと同じ暮らし方をしてはもったいないですよね。

神戸にクリエイティブな人が集まるには何が必要か

クリエイターも同じく、「役割と舞台を求めている」と思います。クリエイターの特性は創造力が高いことなので、クリエイターにとって創造要求が奮い立つような課題設定が神戸のまちには必要です。

ラッキーなのは、クリエイティブな人はクリエイティブな環境を求める性質があるので、神戸の自然との距離感や歴史、暮らしやすさや生活の都っぽさをポジティブに捉えるクリエイターは絶対に多い。

だから行政としてはやるべきことは山盛りあります。めちゃくちゃ面白い仕事ですね。神戸市には魅力的な企業をどんどん誘致していただきたいです。創造性を求められる仕事が増えればクリエイティブな人や企業は自然に集まってくるでしょうね。

株式会社フェリシモ
創立 1965年5月
事業内容 ダイレクトマーケティング事業
所在地
■本社/〒650-0041 神戸市中央区新港町7番1号
URL https://www.felissimo.co.jp/
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